リードは増やせた。受注は、増えなかった。
リードは、増やせるようになった。広告、展示会、ウェビナー、資料ダウンロード──手段は出そろい、多くの会社が「リード数」という数字は伸ばせている。
それなのに、受注が同じだけ伸びない。増えたリードの多くは、商談にならないまま消えていく。本レポートは、そのリードが商談になる/ならない、その分岐点で何が起きているかを、国内の一次データで追ったものである。
全データに調査主体・調査時点・サンプル数(n)を併記した。公開一次ソースで確認できなかった数値は採用していない。相関と因果は区別している。そして、測られていない論点は「計測の空白」として正直に記した。
この号が追う5つの問い
| RQ1 | リードは本当に増えているのか。増えたのに受注が伸びないのは事実か |
| RQ2 | 商談にならないリードは、どこで・なぜこぼれているのか |
| RQ3 | 届いていない相手は誰か。「決裁者」にリードは届いているのか |
| RQ4 | マーケが「良質」と判定したリードを、営業はなぜ商談化できないのか |
| RQ5 | 断層を埋めている会社は、何を設計しているのか |
00 3行でわかる、リードと受注の“あいだ”
本レポートの結論を先に示す。時間のない読者は、この章と08章(セルフチェック)だけでも要点を持ち帰れるように設計している。
結論①:詰まっているのは「リードの数」ではなく、引き渡しの「設計」である
リード数は増やせるようになった。それでも受注が増えないのは、マーケと営業の“あいだ”に、リードを商談へ渡すための設計がないからだ。増えているのは母数で、途切れているのは接続である。もう一本リードを増やしても、この断層は埋まらない。
結論②:届いていない相手の代表が「決裁者」である
リードは取れても、その中に決裁権を持つ人はほとんど含まれていない。決裁者に十分アプローチできている実感があるマーケターは、わずか9.7%(ProFuture/マクロミル 2026年2月、n=103・自己申告)。数を追う設計は、最も届けたい相手を最も取りこぼす。
結論③:勝負を分けているのは「MQLの数」ではなく「速さと理屈」である
マーケが「商談可能」と判定したリード(MQL)の数は、もはや受注の予測因子として弱くなった。断層を埋めている会社は、リードの数を競うのをやめ、①引き渡しの速さと、②営業が最初の会話で使える理屈(誰に・なぜ・何を話すか)を設計している。
2026年、リードと受注の“あいだ”を象徴する市場データ
| 9.7% | 決裁者に十分アプローチできている実感があるマーケター(n=103・自己申告) |
| 43.7% | 最重視指標が「ターゲット層の濃さ」に。CPA(35.9%)を上回り首位(n=103) |
| 13% | MQL→SQL転換率の全業界目安。日本の公的値は不在(海外ベンチマーク) |
| 60倍 | 1時間以内接触のリードが24時間後接触より適格化されやすい倍率(米国・2011、n=2,241) |
出典:ProFuture×マクロミル「2026年度BtoBマーケティング予算・施策に関する実態調査」(2026年2月、n=103)/MQL→SQL転換率は海外ベンチマーク/Oldroyd et al., HBR 2011(n=2,241、米国)。数値は各調査の母集団に依存する。
本レポートが導く「こぼさない設計公式」
設計公式:
届く相手を設計する(決裁者を母数に入れる)
× 速く渡す(鮮度が高いうちに接続する)
× 理屈を渡す(営業の最初の会話を武装させる)
× 数でなく到達で測る(リードでなく商談化率で見る)
01 なぜ今、これを調べるのか
かつてBtoBマーケティングの課題は、はっきりしていた。「リードが足りない」。だから各社は、リードを増やす手段に投資してきた。広告、展示会、ウェビナー、ホワイトペーパー、資料ダウンロード。そして実際、リードは増えた。
ところが、いま多くの現場で聞こえてくる声は違う。「リードは増えているのに、商談が増えない」「営業から“リードの質が悪い”と言われる」。課題は「量の不足」から、「量はあるのに受注に変わらない」へと移った。
これは実感ではなく、数字にも表れている。2026年度に向けたマーケターへの調査では、施策全般への投資意欲が高い一方、展示会(ROIが見合わないと感じる施策の首位・42.7%)やリスティング広告(33.0%)といった、これまで集客の柱だった施策への費用対効果に疑問符がついた(ProFuture/マクロミル 2026年2月、n=103)。予算は「増やす」、しかし手応えは「減っている」。この非対称が、いまのBtoBマーケティングの異変である。
「量の課題」から「接続の課題」へ
リードが足りない時代の解は「増やす」だった。だがリードが足りている(あるいは増やせる)時代に、同じ「増やす」を続けても受注は増えない。増えたリードが商談に変わらないなら、投資すべきは母数ではなく、リードと商談の“あいだ”である。
本レポートは、この“あいだ”で何が起きているのかを分解する。そこには、後の章で見るように、いくつもの断層がある。
次章へ──まず、その“あいだ”を同じ物差しで見るための分解図から始める。
02 リードと受注の“あいだ”を、4つの断層で分解する
リードが商談にならない、と一言で言っても、こぼれる場所は一つではない。本レポートは、リード獲得から商談化までの導線を、4つの断層(=リードがこぼれ落ちる継ぎ目)に分解する。
| 断層 | どこで起きるか | こぼれる理由(本文で詳述) |
|---|---|---|
| ① 届く相手 | リード獲得 | 数を追うほど、決裁者ではなく「取りやすい人」が集まる |
| ② “質”の定義 | MQL判定 | 「商談可能」の基準がマーケと営業でずれ、MQLの数が受注と連動しない |
| ③ 引き渡しの速度 | ハンドオフ | 判定から接触までの時間が空き、リードが冷める |
| ④ 最初の会話 | 初回接触 | 営業が「誰に・なぜ・何を」話すかの理屈を持たされていない |
この4断層は独立してはいない。①で決裁者を取りこぼせば、②の判定は歪み、③で遅れれば、④の会話は始まる前に冷えている。断層は連鎖する。だからこそ、どれか一つを直しても導線は繋がらない。
この号の見立て
以降の章は、この4断層を順に一次データで見ていく。そして最後に、断層を埋めている会社が共通して設計していたものを取り出す。先に結論の骨だけ言えば、それは「もっと多くのリード」ではなく「こぼさない継ぎ目」だった。
次章へ──最初の断層は、最も見過ごされている。リードは「取れている」のに、肝心の相手に「届いていない」。
03 リードは取れても、決裁者には届いていない
リードは増えた。では、その中に「決めを握る人」はどれだけ含まれているのか。
答えは、厳しい。「リード獲得において、ターゲット企業の決裁権を持つキーマン(役員・部長級)に直接アプローチできている実感があるか」という問いに、「十分にできている」と答えたマーケターはわずか9.7%だった(ProFuture/マクロミル 2026年2月、n=103)。
ここは、数字の性格を正確に押さえておきたい。これは「決裁者に届いた案件が9.7%だった」という実測値ではなく、マーケター自身の手応え(自己申告)である。それでも、9割が「届いている実感がない」と答えている事実は重い。作り手の側が、届いていないと感じている。
なぜ、数を追うと決裁者を取りこぼすのか
構造は単純だ。展示会やWeb広告で集めやすいのは、情報収集をしている現場担当者である。決裁者は、フォームを埋めない。資料を自分ではダウンロードしない。取りやすい人を効率よく集めるほど、母数の中で決裁者の比率は下がっていく。リード単価(CPA)を下げる最適化は、この傾向をむしろ強める。
その結果として起きるのが、費用対効果の悪化だ。リードは集まる。しかしその中に決裁者が含まれていなければ、商談は前に進まない。ROIが下がる。前章で見た「予算は増やすのに手応えは減る」の正体の一つが、ここにある。
「聖域」──最も届けたい部門ほど、最も届かない
届きにくい相手は、役職だけの問題ではない。部門にも偏りがある。同調査で「外部からのアプローチが特に難しい/実態が掴めない部門」を聞くと、上位は意思決定の中枢に集中した。
| 順位 | 「聖域」部門 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 経営企画室 | 29.1% |
| 2 | 情報システム部門 | 27.2% |
| 3 | 人事・総務部門 | 23.3% |
| 4 | 経理・財務部門 | ― |
| 5 | 法務・リスク管理部門 | ― |
ProFuture/マクロミル 2026年2月、n=103・複数回答
意思決定を司る経営企画室、システムを統制する情シス、組織を管理する人事・総務。買い手の社内で「通す/止める」を握っている部門ほど、売り手からは見えない。現場担当のリードは取れても、この聖域には届かない。
指標が動き始めている──「安く大量に」から「濃く確実に」へ
現場もこの断層に気づき始めている。「今後、マーケティング施策で重視したい指標」を聞くと、首位は「ターゲット層の濃さ」43.7%で、長らく王座だった「リードの獲得単価(CPA)」35.9%を上回った。3位は「リード情報の実在性・鮮度」32.0%(ProFuture/マクロミル 2026年2月、n=103)。
数を安く集める時代から、届けたい相手が確実に含まれる濃さを取りにいく時代へ。指標の重心が、母数から中身へ移り始めている。
次章へ──ただし、「濃さ」を求めた先で、次の断層が待っている。マーケが「濃い=商談可能」と判定したリードが、営業には響かない。「質」の定義そのものが、ずれている。
04 「MQL」という単位が、壊れかけている
決裁者を含む「濃い」リードを取れたとして、次に問われるのは、それを「商談可能(MQL:Marketing Qualified Lead)」と判定する基準である。多くの会社は、このMQLの数をマーケティングの最重要KPIに据えてきた。
だが、そのMQLが、受注とうまく連動しなくなっている。
MQLの数は、もう受注を予測しない
海外のBtoB SaaSの現場では、2026年時点で一つの共通見解が広がっている。MQLの“量”は、売上との相関が弱い──という認識だ(複数のBtoB SaaS分析、2026年)。MQLを大量に積み上げても、それが受注の量には結びつかない。むしろ、量を追う設計が、質の低いリードを「商談可能」と誤判定させる。
これは新しい話ではなく、構造の露呈である。「DL=リード」ではない。資料を1本ダウンロードした人を「商談可能」とみなして営業に流しても、商談化しない。KPIとしてのMQL数は、量の最適化がパイプラインに繋がらないことが露見した瞬間に、破綻する。
転換率が語ること──そして、日本には物差しがない
では、MQLはどれだけ商談(SQL:Sales Qualified Lead)に変わるのか。海外ベンチマークでは、MQL→SQL転換率の目安は全業界で約13%、BtoB SaaSで18〜22%、上位層で25〜35%とされる(海外ベンチマーク、2026年)。転換率が15%を下回る場合、原因は営業の実行力ではなく、MQLの定義が甘すぎる(ICP=理想的顧客像に合わない人を「商談可能」と数えている)ことが大半だ、とも指摘される。
ここで、本レポートは一つの計測の空白を正直に記さなければならない。
【計測の空白】 日本のBtoBに限定した、商談化率・MQL→SQL転換率の公的なベンチマークは、確認できた範囲で存在しない。 各社が参照している数値は、母集団も定義も異なる海外調査の「目安」である。つまり多くの日本企業は、自社の転換率が高いのか低いのかを判断する共通の物差しを持たないまま、MQLの数だけを追ってきた。物差しがなければ、「定義が甘い」ことにも気づけない。
日本のBtoBにとって、この空白は小さくない。ベンチマークがない以上、他社比較には意味がない。唯一意味を持つのは、自社の前四半期との差分である。絶対値を競う代わりに、自社の転換率を四半期ごとに測り、その変化を追う。物差しは、外から借りるのではなく、自社でつくるしかない。
「濃さ」への転換は、正しい。ただし数える単位を変える必要がある
前章で見た「ターゲット層の濃さ」への指標転換(43.7%)は、この断層への正しい反応である。ただし、濃さを追うなら、数える単位も変えなければならない。MQLの“件数”ではなく、ICPに合致し、購買の兆しがあるリードが、実際に商談へ変わった“率”。単位を件数から率へ、量から接続へ。
次章へ──定義を整えても、まだこぼれる。次の断層は、時間だ。「商談可能」と判定した、その瞬間から始まる数時間で、勝負はもう動いている。
05 引き渡しの「数時間」で、勝負は決まっている
MQLの定義を整え、決裁者を含む濃いリードを、商談可能と判定した。ここまで来て、なお多くのリードがこぼれる。理由は、拍子抜けするほど単純だ。渡すのが、遅い。
速度は、転換率を大きく左右する
リードは、鮮度で死ぬ。関心が最も高いのは、そのリードが生まれた直後である。時間が経つほど、買い手の熱は冷め、他社が先に接触し、記憶は薄れる。
この速度の効果を、最も大規模に検証した一次研究がある。米国の2,241社を対象にした行動監査で、1時間以内に接触したリードは、24時間後に接触したリードより、約60倍も適格化(qualify)されやすいという結果が出ている(Oldroyd, McElheran & Elkington, Harvard Business Review 2011、n=2,241)。同じ研究で、1時間以内に接触できた企業は、そうでない企業の約7倍、適格化に成功していた。
ここも数字の性格を正確に。この研究は米国・2011年のものである。日本の、しかも最新の同種データは──前章の空白と同じく──確認できていない。それでも、「速さが転換を大きく左右する」という方向性そのものは、複数の研究で一貫している。方向は信頼でき、絶対値は日本・現在に置き換えて自社で測るべき、という扱いになる。
なぜ、遅れるのか──断層は「速度」ではなく「設計」の問題
遅れる原因は、担当者の怠慢ではない。引き渡しの仕組みがないことである。
MQLが発生しても、営業の誰に、どのチャネルで、何分以内に通知が飛ぶかが決まっていない。通知が飛んでも、誰が一次対応するかの担当が曖昧。担当が決まっても、最初に何を話すかの準備がない。この一つひとつの空白が、時間を食う。リードが生まれてから営業が最初のアクションを起こすまでの数時間〜数日は、設計の不在がそのまま時間の損失になっている区間だ。
裏を返せば、ここは仕組みで最も埋めやすい断層でもある。MQL発生を営業担当者個人へ即時通知する(メール・チャット)、一次対応の担当とSLA(部門間の合意ルール)を決めておく、初回接触のスクリプトを営業とマーケで共同で用意しておく。派手さはないが、速度は「気合い」ではなく「設計」で出る。
次章へ──速く渡せたとして、最後の断層が残る。渡された営業が、最初の会話で「何を話すか」を持っていなければ、速さも無駄になる。
06 最初の会話に、「理屈」が渡されていない
速く渡された。では、営業はその最初の接触で、何を話すのか。
ここが最後の、そして最も見えにくい断層である。多くの組織で、マーケが営業に渡すのは「リードの情報(会社名・氏名・獲得経路)」までで止まっている。「このリードに、誰として、なぜ、何を話すべきか」という理屈は、渡されていない。営業は、冷えていない貴重なリードを受け取りながら、ゼロから会話を組み立て直す。
分業(The Model)が生んだ、意図せぬ寸断
この断層の背景には、日本のBtoBが一巡した「分業」の副作用がある。マーケ・インサイドセールス・フィールドセールスへと役割を分ける分業体制(The Model型)は、専門性と生産性を高めた。それは事実だ。
だが分業は、同時に継ぎ目を生む。それぞれの部門が自部門のKPI(マーケはリード数、インサイドはアポ数、フィールドは受注)を最適化するほど、部門と部門の“あいだ”が誰の責任でもなくなる。マーケは「渡した」と思い、営業は「質が悪い」と言う。リードは、その責任の空白でこぼれる。これは個人の問題ではなく、KPIの設計が生む構造的な寸断である。
「質が悪い」の正体は、多くの場合「文脈が渡っていない」
営業が「リードの質が悪い」と言うとき、その半分は、リードそのものではなく、リードに文脈が付いていないことを指している。この人は何に反応してこのリードになったのか。どんな課題を持っていそうか。社内のどの立場か。何を話せば次に進むのか。この文脈があれば、同じリードでも会話は変わる。
だから断層④を埋める設計とは、営業台本を増やすことではない。マーケが掴んだ文脈を、営業の最初の会話にそのまま接続することだ。獲得経路・閲覧履歴・課題の仮説を、リードに添えて渡す。初回接触で使う問いを、マーケと営業が一緒に決めておく。差し戻し(商談化しなかった)理由を、営業がマーケに必ず返す。この往復が、文脈を積み上げていく。
4つの断層は、一本の線に戻る
ここまでの4断層を振り返ると、すべてが一つのことを指している。個々の施策や個人の能力ではなく、部門と部門の“あいだ”に、リードを渡すための設計があるかどうか。届く相手を設計し(①)、質の定義を揃え(②)、速く渡し(③)、文脈ごと渡す(④)。この4つは、別々の改善ではなく、一本の「引き渡しの設計」の四つの側面である。
次章へ──では、この線を繋いでいる会社は、具体的に何を設計しているのか。次章で、断層を埋めた会社の共通項を5つの設計原則に束ねる。
07 考察 ── 断層を埋める、5つの設計原則
ここが本レポートの核心である。4つの断層を一つずつ塞ぐのではなく、一本の線として繋ぐために、断層を埋めていた会社が共通して設計していたものを、5つの原則に束ねる。いずれも「特定の施策」ではなく「引き渡しの思想」の話である。
原則① 母数ではなく、届く相手を設計する
リードを増やす前に、「誰に届けば受注に近いか」を先に決める。決裁者・聖域部門を母数に含める設計を、獲得の入口に組み込む。CPAを下げる最適化は、届けたい相手を取りこぼす方向に働く。追うべきは単価ではなく、母数の中の“濃さ”である(断層①への解)。
原則② 「質」を、マーケと営業が同じ言葉で定義する
MQLの数を競うのをやめ、「商談可能」とは何かを両部門で一つに合意する。ICPへの合致と、購買の兆しを、共通の基準として文書化する。基準が揃って初めて、「定義が甘い」ことに気づける。数える単位を、件数から率へ変える(断層②への解)。
原則③ 速さを、気合いではなく仕組みで出す
リード発生から初回接触までの時間を、設計対象にする。即時通知・一次対応の担当・SLA(部門間の合意ルール)を決めておく。速度は根性で縮まらない。仕組みで縮む。ここは最も派手さがなく、最も効く断層である(断層③への解)。
原則④ 情報ではなく、文脈を渡す
営業の最初の会話を武装させる。獲得経路・課題の仮説・社内の立場を、リードに添えて渡す。初回の問いを共同で設計する。「質が悪い」の多くは「文脈がない」だと捉え直す(断層④への解)。
原則⑤ リード数ではなく、到達で測る
北極星を「リード数・MQL数」から、「商談化率・受注速度」へ移す。ただし日本には公的ベンチマークがない(04章の空白)。だから他社と比べるのではなく、自社の前四半期との差分で、どの断層が詰まっているかを測る。測る場所を、入口から継ぎ目へ移す。
結論:勝者は「リードを増やす人」ではなく「こぼさない設計者」である
増えたリードが受注に変わらないとき、反射的な解は「もう一本リードを増やす」ことだ。だが、こぼれているのは母数ではなく接続である。もう一本のリードは、断層をひとつも埋めない。むしろ、こぼれる母数を増やすだけになる。
2026年のBtoB企業が最初に投資すべきは、リードの追加ではなく、リードと受注の“あいだ”にある継ぎ目の設計そのものである。届く相手を設計し、質を揃え、速く、文脈ごと渡し、到達で測る。派手ではない。だが、毎日こぼれ落ちていた受注は、この設計からしか戻ってこない。
2026年 「こぼす設計」と「こぼさない設計」
| 断層 | こぼす設計 | こぼさない設計 |
|---|---|---|
| 届く相手 | 取りやすい人を安く大量に | 決裁者・聖域を母数に設計 |
| 質の定義 | MQLの件数を競う | 商談可能を両部門で合意し率で見る |
| 速度 | 気合いと手空きで対応 | 即時通知・SLAで仕組み化 |
| 最初の会話 | 情報だけ渡す | 文脈ごと渡す |
| KPI | リード数・MQL数 | 商談化率・受注速度(自社の差分) |
こぼれているのは母数ではなく、接続である。もう一本のリードは、断層をひとつも埋めない。