ホワイトペーパーの制作を外に頼もうとして見積もりを取ると、金額に幅が出ることがあります。並べて比べようとすると、まず目に入るのはページ数と金額です。1ページあたりいくらか、で比べたくなります。

ただ、同じ10ページでも、中身を作るためにやることは資料によって違います。私は、ホワイトペーパーの費用を見るときは、ページ数に加えて「その資料が受注までのどこで何を担うか」と「そのために、どの工程で何をするか」を見る必要があると考えています。

この記事では、費用が何で変わるのかを、役割と工程に分けて整理します。最後に、見積もりを比べるときに確認したい項目をチェックリストにしました。制作会社や制作代行に依頼する前の方、届いた見積もりの差が何から来ているのかを知りたい方に向けて書いています。

プロレクトが見積もりで見ている4つの要素

最初に、プロレクトが意思決定支援コンテンツ制作の見積もりで見ている要素を書きます。サービスページにも載せている4つです。

  1. 制作物の種類:ホワイトペーパー、比較資料、稟議支援資料、導入判断資料など
  2. ページ数:読者に渡す情報の量
  3. 調査量:自社の手持ちの情報だけで書けるか、取材や外部データの確認が要るか
  4. 構成の難易度:論点がどれだけ込み入っているか、想定読者が判断材料を理解しやすい形に組み立てるのにどれだけ手間がかかるか

ページ数は4つのうちの1つです。ページ数が同じでも、調査量と構成の難易度が違えば、やることは変わります。そして、調査量と構成の難易度に影響する要因の一つが、その資料に持たせる役割です。

調査量と構成の難易度は、資料に持たせる役割で変わる

プロレクトのホワイトペーパー構成テンプレートでは、1本の資料に持たせる役割を3つに分けています。

役割読者の状態中身を作るために要るもの(例)
認知課題にまだ気づいていない課題の整理、気づくきっかけになる切り口
比較解決策を探し、比べている比較の観点、選ぶときの注意点、自社に当てはめる手順
後押し社内で通す材料を探している費用対効果の考え方、想定される反論への答え、事例

役割によって、右の列のように要るものが変わります。

たとえば、課題に気づいてもらう資料は、自社の手持ちの知見を中心に構成できる場合があります。一方、社内で通すための資料では、費用対効果の考え方や、決裁者から出そうな質問への答えが要ることがあります。取材で実際の導入の流れを聞いたり、数字の出どころを確かめたりする手間が増えると、調査量と構成の難易度が上がります。

見積もりを比べる前に、「この資料は、誰の、どの判断のためのものか」の仮説を依頼先に共有するか、見積もりに役割を決める工程が含まれているかを確かめると、見積もりの前提がそろいます。役割が決まっていないまま見積もりを取ると、制作会社ごとに違う役割を想定して金額を出していることがあります。金額の差の一部は、その想定の差かもしれません。

工程ごとに、何をしているか

次に、工程ごとに何をしているかを並べます。見積もりの金額は、制作物の種類やページ数に加えて、各工程をどこまで、どの程度やるかによって変わります。

工程すること手間が増えやすいとき
企画読者・役割・読み終えた後の行動を決め、章立てを作る役割が社内で決まっていない。関係者の意見がまとまっていない
取材・調査社内の担当者や顧客に話を聞く。外部データの原典を確かめる手持ちの情報だけでは書けない。数字を使う
原稿構成に沿って本文を書く専門的な内容が多い。社内用語を読者向けに言い換える必要がある
デザイン表紙・図版・表を作り、読みやすく組む図版が多い。自社のデザインルールに合わせる必要がある
修正各工程の確認とフィードバックを反映する確認する人が多い。工程を戻る変更が後から入る

プロレクトで自社のホワイトペーパーを作るときは、企画メモ(役割・読者・読み終えた後の行動・章立て案)→ 確認 → 構成 → 確認 → 本文の初稿 → 図版 → Word・PDF化 → 公開前の品質チェック、の順で進めています。企画と構成の段階で、それぞれ確認を挟んでいます。修正にかかる手間は、回数だけでなく、どの工程まで戻るかによっても変わると私は考えています。

「制作代行」として頼むときに決めておくこと

制作代行や作成代行という言葉で依頼先を探す場合、頼みたい範囲が「作るものは決まっていて、形にしてほしい」なのか、「何を作るかから一緒に考えてほしい」なのかで、合う依頼先と費用の見方が変わります。

  • 作るもの・役割・素材が社内で決まっている:原稿とデザインの工程が中心になります。見積もりは、ページ数、図版の数、修正の進め方で比べやすくなります
  • 役割や読者がまだ決まっていない:企画と取材・調査の工程の比重が大きくなります。見積もりに企画の工程が含まれているか、何を決めるところまでが範囲なのかを確かめます

プロレクトの意思決定支援コンテンツ制作は、後者に近いサービスです。制作の最初に受注導線診断を行い、その資料が受注までのどの判断を担うのかを決めてから作ります。言われたものをそのまま作る制作代行を求めている場合には、向いていません。

見積もりを比べるときのチェックリスト

複数の見積もりを並べるときに、確認したい項目です。金額だけでなく、それぞれの見積もりが何を前提にしているかをそろえるために使います。

確認すること見るところ確認
資料の役割と読者が書かれているか提案書・見積もりの前提□
企画の工程が含まれているか。どこまで決めるか工程の内訳□
取材・調査が含まれているか。回数と対象工程の内訳□
原稿は誰が書く前提か。自社が出す素材は何か前提条件□
図版・表の数、表紙のデザインが含まれているかデザインの範囲□
修正の範囲と進め方。工程を戻るときの扱い修正の条件□
追加費用がかかる条件備考・注意事項□
納品物の形式(PDF・編集できる元データ)納品物□
納品後の使い方(CTA、営業での使い方)の整理が含まれるか工程の内訳□
期間と、自社の確認にかかる時間を見込んでいるかスケジュール□

□が埋まらない項目には、見積もりの差の理由が隠れている可能性があります。依頼先に質問して前提をそろえてから、金額を比べます。案件によっては当てはまらない項目もあります。

プロレクトの場合

参考までに、プロレクトの意思決定支援コンテンツ制作の条件を書いておきます。

  • 価格:30万円〜(税抜)。制作物の種類・ページ数・調査量・構成難易度に応じてお見積もりします
  • 含まれるもの:受注導線診断(無料。制作の最初の工程として行います)、コンテンツの企画・役割設計、構成・原稿作成、デザイン・制作、CTA・営業活用方法の整理
  • 含まれないもの:受注導線コンテンツ設計(ペルソナ・カスタマージャーニー・既存コンテンツの棚卸し・コンテンツマップの整理)、広告運用・MA運用などの継続的な集客運用、商談数・受注数の保証
  • 期間の目安:4〜6週間程度(制作内容・ボリュームにより異なります)

詳しくは「ホワイトペーパー制作代行」のページにまとめています。

読み終えたら:手元の見積もりに、役割を書き込む

見積もりがすでに手元にある方は、まず1枚目の余白に「この資料は、誰の、どの判断のためのものか」を一文で書いてみてください。書けない場合は、役割がまだ言葉になっていない可能性があります。その一文を依頼先に伝えたうえで、チェックリストの項目を確かめると、見積もりの差が何から来ているかが見えやすくなります。